私の尊敬するIAの一人であるピーター・モーヴィル(Peter Morville)のサイト findability.org が、新たにBlog形式のサイトにリニューアルされました。
彼はどうやら長らくBlogを書くつもりがなかったようで、世間の流れに屈してしまった~などと非常にシニカルな語り口でポストしているのが面白いですが、とりあえずこのBlogの手始めの目標 ― 彼いわく“つまらん目標”だそうですがw ― は、もうすぐ発売される彼の新しい著書『Ambient Findability』のPRになるとのこと。
モーヴィルは、IAのバイブル的扱いをされているオライリー本『Web情報アーキテクチャ―最適なサイト構築のための論理的アプローチ(原題:Information Architecture for the World Wide Web)』を、ルイス・ローゼンフェルド(Louis Rosenfeld)と共に記した著者として有名です。
この本は表紙にホッキョクグマのイラストが使われていることから、海外では“Polar-Bear Book”、日本では“シロクマ本”というニックネームでも呼ばれているのですが、9月27日に発売される新著もそれにならって“キツネザル本”と彼自身が呼んでいます。
さらに、発売前に以下の情報をオライリーのサイトで公開しているとのことで、早速チェックしてみました。
◆最初のチャプター本文(PDF):http://www.oreilly.com/catalog/ambient/chapter/ch01.pdf
◆目次:http://www.oreilly.com/catalog/ambient/toc.html
最初のチャプターを読むと、この本が単なるIAについての本ではなく、またWebの世界だけをターゲットとしているのでもなく、現代の情報化社会を“Findability”というキーワードを軸に総合的に読み解こうという意図が分かります。
このチャプターだけでも非常に示唆に富む指摘があちこちに散りばめられ、しかも活力に溢れた素晴らしい文章なので、興味のある方はぜひ原文を参照してみてください。
また、目次には「ボールドウィン効果(Baldwin Effect)」の項があります。ボールドウィン効果というのは、非常に大雑把に言うと、学習によって獲得される能力や後天的に付与される形質が次第に“生得的/遺伝的”に獲得される(または、そのように認知される)ようになっていく現象だと私は認識しているのですが(←ツッコミ大歓迎です)、さらに表紙をよく見ると「What We Find Changes Who We Become」というタグラインが……。
発達心理学や認知科学まで絡めた話になっていそうで、すごく面白そうではないですか?
この本はモーヴィルが一年近く一人で心血を注いで書き上げたというし、いったいどのような情報社会の未来像を見せてくれるのか、非常に楽しみです。