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終わりなき「ネタ的」日常を生きろ

ZDが提供しているITエグゼクティブ向けの情報ポータル「CIO Insight」というサイトに、Peter Morvilleのインタビューが掲載されていました。

Expert Voices: Peter Morville on Why Information Architecture Matters

他で彼が語っている内容とかぶっている点も多いのですが、一番最後の質問の答えがちょっと興味深かったので、そこだけメモっておこうと思います。

Q. 情報アーキテクチャにおける包括的な目標というものはあるのでしょうか?

A. それは今後のビジョンに関して浮上しつつある、哲学的な問いの一つですね。
私がウェブについて可能性を感じ、情報アーキテクチャに関わっていてよかったと思える理由の一つは、われわれ人間の情報共有能力の改善に、情報アーキテクチャが役立つということではないかと思います。
人間はインターネットを形成する過程で、自分たちを互いに接続し、もっと一段と自由自在に情報を伝達・共有できるルートを作りながら、いわば地球という惑星の中枢神経システムを作り出しているのだ、というメタファーを用いる人もいます。
もちろん、それが望ましいことだと思えるためには、人間が情報の伝達・共有能力を向上させれば最終的により正しい意志決定が可能になるはずだという、ある程度のオプティミズムを持つことが必要ですが。

Peterはややシニカルな人なので、この答えにはいくぶん皮肉も含まれていそうです。「アンビエント・ファインダビリティ」でも語っているように、情報の伝達や共有が加速すればするほど良いのかというと、必ずしもそうではないだろうと。人間自身が、ITの進化に合わせて変わらなきゃいけないと、そんな自戒を込めているように感じられます。

ところで私は、情報の種類についてしばらく前から考えているのですが、情報は「ファクト」と「アブストラクション」に大きく二分できそうです。

ファクト = 人間の頭の外にある情報 = 事実事項

アブストラクション = 誰かの頭の中にある情報 = 思考・知識・理論・想像など

どちらも、より正確に、かつ豊富に、伝達・共有できるようになれば素晴らしいとは思うのですが、今の日本に暮らしながら現実に目を向けてみると、「アブストラクション」が「ファクト」を激しく侵食しているのをひしひしと感じます。いわゆる“既成事実”ってやつが、いかに横行していることか。そしてテレビや雑誌で頻繁に、ネットの一部で盛り上がっただけの話をそのまま大ニュースであるかのように報じているという状況には、メディアとしての責任感を疑ってしまうこともしばしばです。まさに「ネタ化する社会」。
ちなみに既成事実というキーワードでググってみると、いろいろ興味深いページがヒットします…。

価値のある「アブストラクション」は、正しい「ファクト」に基づかなければ生まれないはず。とはいえ、何をもって“正しさ”の尺度とするのか、という問いには、絶対的な答えはありません。
万能のモノサシが無い以上、モノサシ自体を絶えずアップグレードしていく努力をしないといけないんだろうと思います。ここで言うモノサシを、「情報リテラシー」と言い換えてもよさそうです。

このモノサシのアップグレードは、簡単なことではありません。できるだけ多くの人が情報リテラシーを身に付け、情報社会のメリットを享受できるようにするためには、やはり学校教育によって少しでも平等に底上げしていくことを、真剣に考えないといけないのでは?
コンピュータやネットを使いこなすことは、多くの人にとってまだまだ難しいことなのです。「慣れればできるよ」と言われるかもしれませんが、慣れるために十分な時間と機会をなるべく平等に作るには、やはり早い時期から学校教育の場を活用するしかないと思います。
ただ、日本政府が情報リテラシー教育について今どんな取り組みをしているのか、恥ずかしながら不勉強でよく知りません。今後、動向に注目したいと思っています。

というわけで、Peterが繰り返し言っているように、人間の進化はITの進化ほど速くはないわけで、このような情報リテラシーにしてもコミュニケーションスキルにしても、私たちはまだまだ向上させていく必要がありますね。
Web2.0の可能性を、ネット勝ち組な人々だけの内輪の世界で終わらせないためにも、地道な努力が必要かなと思うのです。
自分で子供向けネット教室とかやりたいくらいです…w

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» 人間というボトルネック トラックバック SW's memo / 渡辺聡事務所
ファインダビリティのイベントより、すっかりお気に入りBlogのひとつになってしまったIA Spectrumのエントリより。 ところで私は、情報の種類についてしばらく前から考えているのですが、情報は「フ... [続きを読む]

コメント

子供への教育では、まず、下記のようなサイトでネットへの興味を持ってもらうことが必要なのでしょうか?
13歳のハローワーク公式サイト
http://www.13hw.com/

まあ、上記サイトにかかわらず、社会全体として、子供への職業情報(ネット業界含む)の循環システムが必要かもしれませんね。

こんばんは、コメントありがとうございます。
職業情報の循環システムはもちろん大切ですね。http://www.kidzania.jp/ のような非常に興味深い取り組みもなされているようです(これ、今はGoogleにいらっしゃる高広氏のサイトで知りました)。

ただ、情報リテラシの教育はそれよりもっと下のレイヤに位置付けるべきと思っています。
従来の道徳教育の中に、情報リテラシなどネット時代に準じた要素を取り入れていってもよさそうです。まあ、道徳教育自体、賛否両論あるとは思うのですが・・・

あるいは村井純先生のこの本を教科書にしちゃうのもイイかもしれませんw↓
http://www.accianco.jp/

kidzaniaは、ワールドビジネスサテライトでやっていたのを、以前見ましたが、日本では面白い試みですよね。村井先生の本ははじめて知りました。何か、子供向けの教育機会があれば、私も力になれることがあるかもしれないのですが。

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