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Web2.0 EXPO Tokyo 1日目所感

2日間に渡って開催中の「Web2.0 EXPO Tokyo」、その1日目に参加してきたので、印象が薄れないうちに何点か所感を。

もっとも期待していたのは、もちろんティム・オライリーとJoiによる基調対談だったのだが、この二人の話ならもっと長時間聴きたかったというのが正直な感想。
短い(と感じれらた)時間の中では、ティムが日本国内での現状をJoiにたずねるというやり取りがほとんどになってしまい、今後の具体的なビジョンなり課題なりを提示するところにまで至っていなかったように思う。
しかも、質疑応答の時間がまったく設けられていなかったのは残念だった。海外ではとっくの昔に、BarcampUnconferenceのような“カンファレンス2.0”とでもいうべきトレンドが生まれてきている。このEXPOのような権威あるセミナーイベントがそこまで民主化する必要はないと思うが、Web2.0がテーマであるからにはもう少し双方向性を取り入れてもよかったのでは…。

個人的に一番面白かったのは、はてなの川崎さんのセッションだった。
私自身は、それほどヘビーなはてなユーザではないが、かなり昔からそのサービスのいくつかは便利に利用させていただいている。
はてなのサービスはかなり多岐にわたるが、このセッションで取り上げられたのは「人力検索」「ブックマーク」「ダイアリー&キーワード」「スター」の4つ。川崎さんはこれら各サービスのコンセプトを非常にチャーミングに紹介されていた。

ティム・オライリーは基調対談の中で「Web2.0の鍵を握るのはアーキテクチャである」と述べたが、はてなは日本国内でアーキテクチャレベルの革新を行った(しかも、Web2.0どころかブログなどというものが騒がれ始める前から革新を始めていた)数少ないプレイヤーの一つであることは間違いない。
そして川崎さんは、かつて社会人になる際にインターネットを下のレイヤから理解したくてシスコに入社したという経歴の持ち主であり、P2P普及を目指すJnutella.orgの創設者でもあるということで、彼の言葉の端々からはアーキテクチャに対する強い関心が感じられ、非常に共感を覚えたのは思いがけない収穫だった。いつか、ぜひ直接お話をうかがえるような機会があればと思う。

最後に、大盛況だったミクシィの笠原さんのセッションについて。
セッション終了後、「ミクシィのアクティブ率は60%程度で、しかも下落傾向にあるが、その原因は何だと思うか」というプレスからの厳しい質問に対し、彼はやや苦し紛れに、「そうは言っても6割というのはなかなか悪くない数字だし、これだけユーザが増えるとアクティブ率はどうしても下がっていくものだ」という主旨の回答をなさっていた。

これはリーズナブルな回答とは言い難いが、ある意味真実でもあると思う。

ミクシィの登録アカウント数は約1,200万に上るという。日本の人口の約1割に相当する数だ。これだけの人間がいれば全員がヘビーユーザになるわけがないし、もっと重要なのは「量の変化が質の変化を生む(quantity changes quality)」ということである。
ユーザの増加につれてインターネットが小さな村社会のようなコミュニティであった頃とは別物になっていったように、ミクシィも今やサービス開始当初の和気あいあいとした“サークルの部室”的な場所とはかなり違うものになっているのではないかと思う。
普及する/一般化する/大衆化するというのは、そういうことなのだ。
ユーザの数は増え続けるとしても、まさにそれが原因で「もうここにはいられない」と離れていったり、「なんか居心地悪くなった」と足が遠のくユーザも出てくることは、十分考えられる。

Web2.0を支えるファクターの一つとして「スケーラビリティ」が挙げられることが多いが、規模の変化に対応するだけでは十分とは言えないのだろう。
その規模の変化がもたらすコンテクストやエクスペリエンスの変化を敏感に察知し、それに応じたコンテンツやサービスの改善を考えていくことが重要なのではないか、と感じた。

ところで、Web2.0のコンセプトそのものに関して興味がある方には、以下の記事を強くおすすめしたい。ティムには、こういう話をもっとしてほしかった(苦笑)。

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