つい昨日、frog designがSlideShareにアップしていたこんなスライドを見つけました。
Netbookの登場で、アップル、グーグル、マイクロソフトの三者がそれぞれの提供するOSに関していまどのように頭を悩ませているか、ざっくりと考えてみたという感じの考証的なスライドで、確たる結論とか主張があるものではありません。
が、Netbookについては海外のコミュニティでどう認識されているのかちょっと興味が沸いたので、思い切ってIAIのメーリングリストに「このスライドどうよ?」という感じで投稿してみました。
英語の専門的なMLに投稿するというのは、日本語ネイティブである自分のような人間にとっては、なかなか敷居が高いものです。
たとえば英語でブログを書く方が、MLへの投稿よりも心理的なハードルは低いでしょう。ブログなら、自分の言いたいことを英語で一回言うだけで済むかもしれませんが、MLに投稿すれば普通はそこから他のメンバーとの議論が始まるので、英語で専門的な議論を続けていく覚悟が要るからです。かなり時間や労力もかかるので、自分自身、あまり頻繁に英語MLへの投稿をしてはいません。
が、もちろんそれによって得られるリターンは大きいものです。
今回も、結果的には何人もの海外のデザイナーからいくつもレスをいただいて非常に勉強になったので、投稿した甲斐があったと感じたのですが、個人的にレスをくれた Interaction Design Association (IxDA)の創設者の一人である Dave Malouf に、こんなことを言われてしまいました:
(だいたいいつもネット経由だけど)日本人に会うといつも、インタラクションデザイン(IxD)について日本があまり国外との関わりを持たないのはなぜ?と聞いてるんだ。
工業デザインでは日本発の素晴らしい成果がいろいろあるのに、IxD方面では日本の外にいても分かるような目ぼしい実績が見えないからだ。
日本でIxDをリードしているのは誰なんだい?
IxDの世界では、日本はまるで大きなブラックホールだよ(IAの世界でさえもね)。僕みたいな人間が(それとIAIやIxDAみたいな組織もだ)、日本のコミュニティとつながりを持つにはどうすればいい?
言葉の壁が邪魔してるの? それとも文化とか環境の問題? ほんと、気になるよ。
・・・というわけで、確かに日本から英語圏の仲間たちへの情報発信なりコミュニケーションなりが不足していることは普段から重々感じてはいるのですが、実際にズバリと指摘されてしまって、本当になんとかしないとなあと自戒しているところです。
少なくとも、“ブラックホール”とまで言われてしまう事態は打破したいものですが、具体的に自分に何ができるか、悩むところです。
取り急ぎ、この現状だけでも共有したいと思ってこの記事を書きました。
ご意見のある方はぜひコメントなどでフィードバックいただけると嬉しいです。
> きっしー
海外ではWebデザインからスタートした会社が製品デザインまで手がけるようになるケースが増えている気がするのですが、それだけインタラクションというものをオンラインからオフラインまで包括的にデザインすべき製品が増えているということですよね。
以前iPod本の読書会でも話題にしたのですが、iPodの成功はそのハードのクオリティだけではなく、ソフト(つまりiTunes)の完成度の高さがあってこそだったというのが、よい例です。
きっしーのコメントでソニーの名前が出ましたが、私自身も、iPodに出会う前に使っていたソニーのメモリー型ウォークマンがモノとしてはかなり魅力的だったのに、ソフト(SonicStage)が死ぬほど使いづらく、残念な思いをしたという経験があります。
ホリスティックなIxDを実現するには、組織的にも手法的にもいろいろな工夫が必要なわけで、昨今デザインのメソッド化が著しいのは誰もがそれを確実に手にしたいと願っているからなのでしょうね。
> tomixさん
私もDaveからのメールを見て、ふと深澤さんのことが頭に浮かびました。
たとえば彼のような人は、オープンな場で他のデザイナーと交流しているのだろうか?という素朴な疑問がわいたのです。
で、調べてみたのですが、深澤さん個人のサイトやブログは存在しないようで、TwitterやFacebookを個人的に利用されている形跡もなし。彼が何を思い、何を考えているのか少しでも知りたければ、本やインタビュー記事を読むしかないみたいです。
もちろん、デザイナーの本分は成果物そのものにありき、なのは確かですが、彼のような人にオープンなコミュニケーションの場に出てきていただけないのは、ちょっと寂しいですね。
> さとさん
そうですね。働き方の違いから生じる、組織外のコミュニティへの帰属や情報交換に対するニーズの差はかなり大きいと思います。
まあ日本でも(特にこのIT業界では)やっと働き方が多様化しつつあるので、個人としてのプレゼンスを高めようという傾向が昔よりは強まっていると思うのですが、それを言葉の壁を越えてやってみるというのはなかなか大変ですよね。
私自身も「Tweetはなるべく英語でやる」ということくらいしか実践できてないです…
プロダクトデザインでは良いものがあるのに、IxDとなるとソレが見当たらない、というところが気になります。双方のデザインがアウトプットに至るまでのプロセスが違うのでしょうか。
最近でこそマシになってきたと思いますが、例えばソニーの製品でも昔はガワのデザインがすごく良いのに、IxDが最悪ダサい、というのが結構ありましたよね。原因を知りたいです。
インタラクション・デザインとは?
浅野 紀予さんのブログで、「日本のIxDコミュニティは“ブラックホール”らしい件について。」というエントリーがあった。
ぜひ個人的な意見を書きたい。
偏りの存在
IxDとは何も、Web…
こないだは読書会ありがとうございました。
たぶん、日本のIxDは古くはメーカー内のプロダクトデザイナーの世界で、多くはインハウスまたはインハウスからの独立組で島宇宙のように存在していたからじゃないでしょうか。UxIどころか、プロダクトデザイナーの名前が一般に出てきたのもここ数年のような気がします。(深沢さんの功績?)
UIデザイナって派遣募集多いんですよね。守秘義務だったり、技術者主導で、デザイナーがUI素材制作担当だったりってことじゃないかなと。
だから、悲しい悲しいデザインのカーナビが増えるのですね….
Webやグラフィックに比べて、完全な独立系でUXの仕事をメーカーから受けるのってすごく壁が高いです。まだ発注側にも経験がないんですよね…..
いまのうちに、この辺が中心ですと宣言しちゃったもの勝ち?
僕は“島国”とか冗談半分に“今でも鎖国”とか言われたこともあります。あ、「日本は“デススター”だ」と言われたこともあります(謎)
なんとかしようと以前はずいぶん奮闘しましたけど…どうなんでしょうね?
って過去形もよくないですが(汗)
言葉/教育的な壁もあると思いますが(でもW3CとかWebの技術ってすべて英語だしね)、そもそも文化的/社会的に日本人は長く鎖国時代や敗戦国を経験している関係からコミュニティ形成がヘタということもあるかもしれませんが(言い過ぎ?)、どっちかというとそっち系(どっち)に携わる人って個人で専門的にやっている人が少ない業界構造と、その分、企業に属している人が多いから外に対して発信できる人が少ないのではないかしら?
海外の場合はフリーランスないしプロジェクトベースで期間契約で働くスタイルが多いので、必然的に外とコミュニケーションとっていかないと存在できないので…とここまで書いて思いましたが、悪いのは終身雇用制?