2007年初めに発売された訳書の改訂版となる、『デザイニング・インターフェース 第2版 ― パターンによる実践的インタラクションデザイン』を、再び翻訳させていただきました。明日のクリスマスイブに発売となります。
実物をご覧いただくと一目瞭然なのですが、かなり厚さを増しています。360ページから592ページにボリュームが増えました。これは主に、章立てについて以下のような改訂が行われたことによります。
- 新たに「9章 ソーシャルメディアの利用」「10章 モバイルへの対応」という2つの章が追加されたこと。
- 初版であちこちの章に分散していた、リスト(項目一覧)の表現に関わるパターンが「5章 リストで表現する」としてまとめられたこと。
もちろん既存の章にも、新たなパターンが多数追加されています。このような初版との差分については、本書の冒頭で著者のジェニファーが詳しく解説しています。
ところで、本書を初めて手に取っていただくデザイナーやエンジニアのみなさんは、この中身をパラパラと見て、ひょっとしたらこんな風に感じるかもしれません。
「なんだ、この本に出てくるのは普通のUIばっかりじゃないか。
もうほとんど全部知ってるよ。」
そう、とてもよくわかります。そう感じられて当然なのです。
普通の、誰もがすんなりと受けいれられる、時を超えたデザインを可能にするもの、それこそが、無数の先人たちの知恵と経験の結晶である「パターン」の本質であるからです。
とはいえ、それらを自分が本当に知ってると言えるのかどうかは、よく問い直してみる必要があるのではないでしょうか。
私たちは普段、自分がただ見聞きしたことがあるだけのものを、つい知ってるとみなしてしまうことがあります。本書に出てくるUIはすべてパターンとして確立したものである以上、誰もがどこかで見かけたり、自分のデザインに採用したりしたことがあるものばかりでしょう。ですから、一見した限りでは「全部知ってる」という気がするのです。
ところが、なぜそのUIが生まれてきたのか、どういった利用状況でもっとも効果を発揮するか、類似のパターンとの比較によるメリット/デメリットは何か、といったことまで、私たちはきちんと理解しているでしょうか? それらについて、たとえば自分と仕事を共にする仲間に、あるいはデザインについての専門的知識を持たないかもしれないクライアントに、きちんと伝えることができるでしょうか?
もし、そのような深い理解と説明能力を欠いたまま、既存のパターンを感覚的に寄せ集めるだけでは、説得力のあるデザインを生み出すことはできません。
これは自分自身、Webデザインに関わる一人の職人として、よくよく肝に銘じておかねばならないことです。
デザインに携わる多くの読者の方々にとって、本書がそのような“理解のツール”としてお役に立てることを願っています。
「パターン」をきちんと、理解することやこうして「パターン」として集約されることは非常に重要なことですよね。
よく現場で、「パターンを紐解けば一瞬で導ける答えをパターンの存在を理解していないが故に時間のロスをする」というケースも見かけます。
パターンとしてまとめられるというのは、プロジェクトに関わるメンバーが共通認識を得るため言語として活用されるだけでなく、効率面ー「無駄を省くことでプロジェクトの本質のタスクにより多くの時間をかけられる」ということにもつながるのではないかな、と思いました。
ということで、最近ひさびさにインタフェース設計の実務を行うこともあったのでさっそく活用させていただいてます!
Satoruさん、コメントありがとうございます。
まさにおっしゃる通りですね。第2版では各パターンについて「本書以外での解説」という外部参照データが追加されたこともあり、一段と“開かれた”情報になっているのもポイントです。
お楽しみくださいませ