Retrospect 2010 – 永遠平和のために。

18世紀ヨーロッパの幾多の戦争の時代を生きた哲学者カントが、71歳という老齢に至って著した『永遠平和のために』は、本というよりは小冊子という言葉がふさわしい、短いメモのような著作である。
今年読んだ本を振り返ってみて、一番深く心を動かされたのはやはりこの本だった。モレスキンにメモを取りながら読んだのもこの本だけ。なにしろ、ここにはとてもとても大切なことが書かれているのだ。自分の手帳にメモして、これから何歳になっても、いつでも見直せるようにしたい、そう感じたのである。

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「導線」か「動線」か、「empathy」か「sympathy」か

いつかIA関係の集まりの時に、「導線」と「動線」はどっちが正しいかという議論になったことがあり、その時は確か「導線」でしょという結論になった記憶があるが、本当は文脈に応じて使い分ければよいだけだ、とふと気づいた。

まず導線は「導く線」なので、その主体は設計者側である。したがって「導線設計」という用語ではこちらを使う。
かたや動線は「動く線」だから、その主体は利用者側である。したがって「ユーザーの動線」というフレーズではこちらを使う。

…という理解ですっきりするのではないかと思うが、関係者のみなさまいかがでしょうか。

そんなことを考えていてふと思い出したのが、近年UXの分野でしばしば目にする「empathy」というキーワードである。共感などと訳されることが多く、「sympathy」との違いがよくわからないので、気になってあれこれ調べてみたところ、もちろんそこには異なる意味合いがあることがわかった。 続きを読む

情報化時代の「注意力欠如」を考える

ひょんなことから、自分が2年前にブックマークしていたCNETの記事を読み返した。
記事自体は、すでに5年半も昔のものだが、今読んでも実に興味深い。ぜひとも多くの方に読んでみてほしい。

Dr. Edward Hallowellは、過去10年以上にわたって注意力欠如障害(Attention Deficit Disorder:ADD)の研究を続けてきた精神科医だ。同氏はADDに関連して発見した別の問題–注意力欠如特質(Attention Deficit Trait:ADT)と同氏は呼ぶ–が今、企業社会のなかで大流行しつつあるという。ADDと違い、ADTは先天的なものではない。これは現代の職場環境の産物だと同氏は主張する。コンピュータや電話、そして他のさまざまなハイテク機器から、絶え間なくしかも容赦なく情報が流れ込んでくるために、人の知力が弱まったり、ADTになってしまうというのだ。

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UXと国際化についての覚え書き

IAI会員のメーリングリストで、先日「US UX vs. Euro UX – what’s the diff?」という興味深い質問がありましたが、コペンハーゲンのFatDUXのクリエイティブディレクターである Søren Muus氏が実際の経験に基づく貴重な回答をしてくれました。

大前提として、北米の場合と比べてヨーロッパの言語的/文化的/政治および歴史的な諸事情は格段に複雑なので、それらに起因する数々の問題の検討抜きにUXを考えることはできません。
そうなると、UXを手がける制作者にも、情報技術やデザインだけでなくかなり幅広い知識や高度な判断力が求められるわけで、これはなかなか大変です。

が、そもそもUXというものは、体験する当事者の個性や社会性というコンテキスト、すなわち「その人がどう生きているか」という普遍的な事情の上に成り立つものですから、自分の専門分野だけでなくいろいろなことを日々学んでいくことが大切なのは当然だなあと、あらためて感じました。

前置きが長くなりましたが、以下に Sørenの回答のポイントだけ覚え書きを。

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Wave in a Box、イン・ジャパン。

この夏にGoogleが開発を打ち切ったWaveテクノロジーが、オープンソース版の「Wave in a Box」(略称WiaB)として開発続行となったニュースをご存知の方は多いかと思います。

これを受けて日本では、『Google Wave 入門』の著者であるあんどうやすしさんが、GoogleグループWave Japan Groupを新たに立ち上げてくださいました。

これまでは Google Wave API Japan というグループがあり、やはりあんどうさんが管理者を務めてくださっていたのですが、今後はGoogleでもAPI限定でもなくなるということで、より幅広いディスカッションができるグループができたことになります。
WiaBの開発メンバーたちも淡々と作業を進めているようなので、私も早速このグループ内でFAQを翻訳したページを作らせていただきました。もちろん、差分更新は随時行っていくつもりです。

とはいえ、グループメンバーならどなたでも編集可能なページなので、翻訳に不備があればご遠慮なく添削いただいてかまいません。

まだまだメンバー数も少ないので、Waveにちょっとでも興味関心をお持ちの方はぜひこのグループに参加してみてはいかがでしょうか。
こうしてなにか斬新な技術が生まれて育って行くという場にリアルタイムに居合わせることができるなんて、結果はどうあれ、貴重な体験ですよ。
ぜひともみんなでwktkしましょう。

というわけで、Waveの次回作にご期待くださいw

「修理を要する資料です。」

貸出予約をしていた、エドワード・ホール『かくれた次元』を図書館で借りてきた。

奥付を見ると、第1刷発行は1970年、第6刷発行は1973年とあるから、私がいま手にしているこの本は37年の歳月を経ていることになる。

かくれた次元
表紙の写真だけでは伝わりにくいが、これだけ古いとやはり相当に傷みが激しい。
図書館員さんがカウンターに持ってきてくれた時に、裏表紙に貼られたこんなメモを見せてくれた。

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外情報(exformation)と情報の流動化、などなど。

先日、高須賀さんがブログに非常に興味深い記事をポストされていて、これがインフォメーションアーキテクトならば食いつかずにはいられようかwという内容だったので、ごく簡単ながら感想を述べさせていただこうと思う。

ここで3番目に挙げられた「motion energy」は、高須賀さん自身もご指摘のように、今後“最もインパクトのありそうな”ファクターだろう。
そして、2番目の「context format」のコンテンツとコンテキストの間で捨てられる“外情報(exformation)”が、「motion energy」の燃料の一部となるのではないだろうか。

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David Eaglemanが語る、文明の崩壊をやりすごす6つの手軽なステップ

前々回のポスト「翻訳記事『記憶の喪失』」で紹介した Long Now Foundation のセミナーで、科学者でありSF作家でもある David Eagleman が、“Six Easy Steps to Avert the Collapse of Civilization”について語ったとのこと。なかなか興味深い内容なので、Stewart Brand によるサマリーを基に、1ステップずつ簡単に覚え書きしておきたいと思います。

ちなみに、死後の世界をテーマにした彼の短編小説集『Sum: Forty Tales from the Afterlives』も、Amazon USのカスタマーレビューでかなりのハイスコアを記録しており、非常に面白そう。これはぜひ翻訳が出ることを期待したいです。

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